【ブラジル】移民の歴史つづる歌完成 「100年の歩み」CD完成


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与儀昭雄会長(右)からCDを受け取る安里幸永さん=サンパウロ市、県人会館

 ブラジル沖縄県人移民100周年を記念して作詞された『移民100年の歩み』に、沖縄のプロの作曲家が曲を付けて完成させた歌とカラオケ入りのCDが、このほど作詞家の手に届けられた。

 作詞をしたのはサンパウロ市内に住む今年100歳になる安里幸永さん。詞は四行一連で7番まであり、「出帆」「航海」「耕地」「開拓」「地主」「収穫」「100年」とテーマが付され、移民100年の流れがよく分かる。
 昨年8月に催された沖縄県人移民100周年記念式典に参加した勝連盛豊沖縄ブラジル協会副会長が、配布されたパンフレットに載っていた安里さんの『移民100年の歩み』を読んで感動し、どうにかして歌い継がれてほしいと、沖縄に帰り、友人の玉栄政昭さんに作曲を依頼したもの。
 県人会館で与儀昭雄会長からCDを受け取った安里さんは、最初はびっくりしていたが、歌を聞いてとても感激していたという。
 3月1日に催された「さんしんの日」にも『移民100年の歩み』が披露され、来場者から大きな拍手が送られていた。
 安里さんは本部町字具志堅出身で、1928年にブラジルに移住。農業と縫製の仕事に従事し、妻ウシさん(故人)との間に5人の子どもをもうけた。
 現在は三男の家族と一緒に住んでおり、孫7人、ひ孫が3人いる。若いころの趣味は俳句。3カ月前までは毎日ゲートボールをしていたが、最近は腰痛のため、週3回楽しんでいるという。
(与那嶺恵子通信員)