去る3月29日、パリの展示会会場でシニアサロンと呼ばれる高齢者を対象とした大規模な展示会が開かれた。
シニア世代の健康や生活をテーマにしたこの展示会では、今回、沖縄の長寿研究で知られる琉球大学名誉教授で沖縄長寿科学研究センターの鈴木信所長が講演した。
「笑顔で老いる、沖縄スタイル…幸せな老いの秘訣(ひけつ)」と題したこの講演は、鈴木氏以外にも、沖縄の長寿研究に造詣(ぞうけい)の深い2人のフランス人研究者、フランス国立厚生医療研究センター所長のジョン=マリー・ロビン氏と、食事療法士で沖縄の長寿についての本「オキナワ」を出版したジャン=ポール・カルテ氏が参加。学術的な観点を基にした長寿の秘訣を聞けるとあって、駆け付けたフランス人のシニア世代で埋め尽くされた会場は活気にあふれていた。
特に鈴木氏の講演では、本場沖縄からとあって、聴衆は真剣に耳を傾けていた。数年前まではフランス人の沖縄認知度は非常に低く、第2次世界大戦の激戦地だったというものにとどまっていたが、最近になって長寿の島、沖縄というイメージが定着しつつあるのを肌で感じる。今回の講演会とその反響ぶりは、まさにそれを裏付けるものとなった。
(大城洋子通信員)