【ロサンゼルス】シーサー通し沖縄発信/バーガス・真弓さん(与那原町出身)


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約10年ぶりとなった個展で意欲を示すバーガスさん

 大地の豊かさを思わせるグリーンの下地に、ポップなデザインのシーサーをモチーフにした展示会が南カリフォルニアで静かな話題を呼んでいる。「オキナワン・デ・ショー2009」と題した個展を開いたのは、オレンジ郡在住のバーガス・真弓さん(39)=与那原町出身。海の近い閑静な住宅街の一角にある画廊「カーサ・ヌーア」内に、版画やドローイング、アクリル、ミックスメディアの作品約50点を展示。オープニングを記念して2日に開かれたレセプションには、県出身者らを中心に約100人が詰め掛けた。

 訪れた白人層の中には沖縄での在住経験があったり、沖縄に興味を持つ人も多く、愛嬌(あいきょう)たっぷりのシーサーが沖縄の「守り神」だと知って購入する人も。来場者らは、絵画を通じた沖縄の魅力を語り合っていた。
 バーガスさんは、地元の市民大学の学生展への出品を足掛かりに、アートショーへの出品など地域に根差した活動を開始。沖縄をモチーフにした作品が地元の作品展で入選するなどの経歴を持つが、子育てや仕事に追われて制作を離れ、今回は約十年ぶりの個展となった。
 渡米直後からシーサーをテーマにした制作を始めたと話すバーガスさんは「最初は自分を表現していたつもりだったが、年月がたつうちに、これは自分ではなく父親なんだと気付いた。親になって苦労を重ね、初めて父親に守り育てられてきたことを悟った」と思いを打ち明ける。
 これからの目標は、アメリカでシーサーを幅広く認知してもらうこと。「何年か描けない年月が流れ、目標が達成できない焦りもあったが、そういう自分を認めてあげる余裕が生まれてきたから制作を開始することができた。これからはシーサーを生涯のテーマに据え、制作に取り組んでいきたい」と意欲を示す。展示は十八日まで開いた。
(平安名純代通信員)