【ペルー】地震全壊の保育園 沖縄の支援で建て直し


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3、4歳児が収容されている、オキナワ教室の前で(後列右から)エルネスト土亀救援対策委員長、カルロス斉藤日系人協会会長、先生たちと園児たち=5月28日、ピスコ町の同園

 2007年8月、イカ州沖を震源地とするマグニチュード(M)7・9の大地震で、未曾有の被害を被ったピスコ町の全壊した保育園が、沖縄側の義援金などによってこのほど建て直され、現地で引き渡し式があった。

 式には在リマ総領事館から宇田川雅幸領事、カルロス斉藤ペルー日系人協会会長、エルネスト土亀被災地救援対策委員会委員長、ビクトル安里ペルー沖縄県人会会長ほか、多くの関係者が出席した。
 跡形もなく全壊し、段差ができた敷地の造成・建設工事は現地法人「藤田組」が請け負った。「ルイサ・デラ・トーレ・ローハス保育園」とピスコ町の教育者の名前が命名された園は、生後1カ月の乳児から5歳児まで135人の幼児を収容、19人のスタッフで保育に当たっている。完成した3教室の中で、一番広い教室入り口には、「OKINAWA教室」の文字が大きく刻まれている。
 セレモニーであいさつに立ったビクトル安里県人会会長は「大地震で、このピスコ町で県系人犠牲者を含む家屋の倒壊や未曾有の犠牲者が出た。この報を聞いて、母県沖縄では、呉屋守将在那覇ペルー共和国名誉領事や比嘉憲太郎沖縄ペルー協会会長らが中心となり、広く県民に呼び掛け4万4500ドル余りの義援金を募り、地震被災者の復興に役立ててほしいと、在ペルー沖縄県人会を通して救援対策委員会に届けられた。今、こうした義援金のおかげで将来を担う子供たちが学ぶ施設が立派に完成し、犠牲になった県系人の復興にも役立つことができた」と力強い口調で沖縄からの支援協力に感謝の意を述べた。(赤嶺光弘通信員)