【アルゼンチン】屋宜盛功さんの絵展示 沖縄文化発表会開く


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 昨年アルゼンチンで催された移民100年祭は大成功裏に終わってほっとしているところだが、これがアルゼンチン人にとって意外と大きな印象を与えたようだ。その影響で、沖縄文化の発表会をブエノスアレス文化会館で沖縄県人連合会と市当局と共催で行うことになった。発表会は8月21日から9月13日までの24日間。また2010年はアルゼンチン国独立200年祭を迎えることから、沖縄県人連合会と全日系団体は招待を受け、5月広場の大通りを行進することになった。

 文化発表会の初日は、文化会館10番サロンで「屋宜盛功さんの絵画展」を開催。米須清文沖県連会長が「ブエノスアイレス市当局の賛同を得てこの文化会館を提供していただき、ウチナー文化の発表会を行うことができることを大変喜んでいます」とあいさつして観覧が始まった。
 屋宜さんは兄の呼び寄せで来亜し、一時クリーニング店で働いていたが、来亜する前に沖縄で絵の勉強をしていたことが忘れられず、1962年にフランスへ渡り、72年までの10年間、絵を学んでブエノスアイレスに帰ってきた。
 帰ってきて本格的に絵を続けていればよかったのだが、それだけでは生活できる状況下になく、筆を作ってはそれを売りながら時々絵を描くといった状態だった。描いた絵はすべて友人たちへただであげたという。
 そのため、彼の同僚たちは画伯という敬称が付いているが、屋宜さんは沖縄から来たままで85年5月1日、40代で亡くなった。
 記念文化発表会は琉球國祭り太鼓や夢海渡太鼓の演舞と折り紙、そしてお茶のセレモニー、そして着物ショーなどが予定されている。
 (新垣善太郎アルゼンチン通信員)

屋宜さんの絵に見入る人たち
屋宜さんの写真