南米移民史、特にブラジルへの県民移民史の権威として知られる島袋伸三琉球大学名誉教授と、前津政広浦添市立図書館事務局主査の両氏がこのほど、浦添出身の戦前・戦後の移民史編さんの基となる聞き取り調査のため来秘した。
島袋名誉教授は、これまで金武町をはじめ、名護市や旧大里村、旧玉城村などの移民史編さんに携わっており、先に県民ブラジル移住100周年記念祝典と並行して行われたWUB世界大会の会場で、ブラジル移民に関する講演会も開き好評を博している。
浦添市からの先駆移民は、1908(明治41)年、第5航海厳島丸で沖縄から渡った138人中の、平敷宇清、平敷兼盛、豊里嘉目、豊里牛、宮城加那、宮城甚昌の6人で、その後も計91人がペルー各地の耕地へと入植した。
現在は、浦添市郷友会(フアン宮城会長=45歳・3世・元研修生)として、県人会主催の市町村対抗スポーツ大会への参加や、父母謝恩会など活発に活動している。特に浦添市(儀間光男市長)が実施している研修生受け入れ事業で6カ月間浦添市内で研修を受け帰国した若者たちがウチナーンチュとしてのアイデンティティーに目覚め郷友会を引っ張っている。
ことしは34年に在ペルー浦添市郷友会として発足してから創立75周年を迎える。
宮城会長は来月に会員の結束をより強めるため、ピクニックの清遊会を開催する予定だという。これまでにウラソエンチュの子弟の中から、ダニエル外間氏(元鉱業大臣)をはじめ、マルコス宮城氏(元警察庁長官)、仲宗根千恵子氏(元警察大佐)と県系人の中でもトップクラスの人材を輩出した。
(赤嶺光弘通信員)