【キラリ大地で】アメリカ/サンドバル美恵子さん(45) 琉球民謡で最高賞受賞


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最高賞のメダルを胸に、ポーズを取る美恵子さん

 琉球民謡を習い始めてから5年半の最短距離で、2009年6月、第27回琉球民謡コンクール(琉球民謡協会主催)最高賞を受賞した女性がいる。サンドバル美恵子さん(旧姓又吉、45歳)がその人だ。

 美恵子さんが三線を習うきっかけとなったのは、03年12月に友人に連れられて行った石原民謡研究所のクリスマスパーティーだった。沖縄出身の友人らと和気あいあいと弾く三線は、とても楽しく新鮮で、早速、04年1月から門下生として習い始めた。
 その後、05年に新人賞、07年に優秀賞を取得。08年に花城恵美子民謡教室に移籍、今年6月に最高賞を受賞した。それと並行して、06年から光史流古典太鼓、具志厚練場に入門、07年に新人賞、そして今年7月に優秀賞を受賞した。そのころから県人会やコミュニティーの催し物に積極的にボランティアとして民謡や太鼓で出演している。
 美恵子さんは、浦添市出身。浦添高校を卒業後、歯科衛生士専門学校を経て、歯科衛生士免許を所得。その後、22歳で米軍人だった現在の夫と沖縄で出会い結婚、1989年にアメリカ、カリフォルニア州オーシャンサイド市に移住した。その後3人の子の母となり、03年にムリエタ市に住まいを移し現在に至る。1994年にカリフォルニア州、レジスターデンタルアシスタントの試験に合格し免許を取得。その後オーシャンサイド市にあるビーチサイドデンタルに勤務している。
 オーシャンサイド市には、大きな米軍基地(キャンプ・ぺンドルトン)があるため、国際結婚した日本人が多く、美恵子さんの日本語のサポートを頼りに訪れる患者も数多い。患者が、アメリカでの保険の仕組みや治療内容がよく把握できるよう、コミュニケーションの糧となって頑張る日々。また日ごろから運動の好きな美恵子さんは、01年にエアロビクス・インストラクターの資格を取り、キャンプ・ペンドルトンで2年間インストラクターとして教えたこともあった。
 「習い始めのころは、子どもたちが三線の音を嫌がったので、クローゼットの中でよく練習した」と語る美恵子さん。だが上達するにつれ、夫や子どもたちの理解が深まり、練習や催しがある度に励まし、応援してくれたという。「5年半でここまでこられたのは、先生方の素晴らしい指導と家族の理解があったからこそだと心から感謝している」と語る。習い始めのころは5、6人いた友人も、1人去り2人去りでほとんど練習から遠ざかったが、美恵子さんは「何事においても目標を持って、それに向かって努力し続ければ必ず達成できると信じている。これからも、新たな目標に向かって日々昇進していきたい」とさらなる上を目指して猛練習中だ。
(当銘貞夫通信員)