【島人の目】マンガ、アニメ人気


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 米国の中高校生が日本語を学ぶ動機の一つは、何といっても日本のマンガとアニメにある。最初のクラスでの自己紹介の時、何人もの生徒が「趣味はアニメ」と言う。「セーラームーンが大好き。まことと呼んで」と言った男子生徒がホームステイで日本に着いた翌日、セーラームーングッズを1万円近くも買い、ホストファミリーをびっくりさせた。

ホームステイを終え、帰国の搭乗手続きの時、何人かの生徒のスーツケースには、何十冊ものマンガ本があり、おかげで重量オーバーになる事態に。
 何が彼らを魅了しているのかと常々考えていた時、わが町にも3日間にわたるアニメコンベンションがやって来た。早速のぞいてみることに。誰も彼もお気に入りのマンガのキャラクターになりきり威風堂々と歩いている。会場では、漫画本やキャラクターグッズ、日本のお菓子まで販売され、ステージでは、ファッションショーやアニメの寸劇コンテストで盛り上がっていた。人気の高さを実感した。
 この人気って一体何。カウンターにいた主宰者に聞いてみた。「日本のアニメは、登場人物の心理描写が巧みでストーリー展開が豊か。絵のタッチは繊細できれい。とにかく日本のマンガは、米国のより面白い」と絶賛する。「バーチャルな世界でありながら人間らしさが描かれている所に米国人の共感を呼び、感情移入しやすい」と専門家は分析する。
 今や、日本製マンガ・アニメ文化が最大の輸出品となり、アメリカの大都市では、10万人規模のアニメのコンベンションが行われているようだ。(ワシントンDC通信員)