【ブラジル】移民資料館が完成 県人の歴史と心 後世に


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 ブラジル沖縄県人移民100周年記念事業の一つとして建設が進められていた「移民資料館」が完成し、ブラジル沖縄県人会(与儀昭雄会長)はこのほど、ジアデマ市の沖縄文化センターで落成式を行った。

また、昨年の100周年式典で金武町から寄贈された「いざ行かん我らの家は五大州」の記念石碑と国頭村から寄贈された夫婦像「万国津梁の民」碑の除幕式も併せて開かれた。
 落成式には与儀会長をはじめ関係者や西原篤一沖縄ブラジル協会会長、ジアデマ市副市長、ウイリアム・ウー連邦議員、神谷牛太郎サンパウロ市議会議員ら約200人が出席した。
 県から2千万円、市町村や民間からそれぞれ1千万円ずつの支援を受けて完成した資料館は、平屋建て(約400平方メートル)で、移民資料保管室・展示室、家系図室、慰霊室、図書室などの設置が計画されている。入り口正面には、沖縄県旗をイメージした円形の空間があり、笠戸丸県人移民325人の名前が刻まれたプレートが中央に設置されている。
 与儀会長は「沖縄とブラジルの多くの方々のおかげで、資料館落成の日を迎えることができた。県人移民の歴史を伝えるとともに、ウチナーンチュの心と伝統文化の普及の場として発展させたい」とあいさつ。
 松堂忠顕落成式実行委員長、崎間達雄資料館建設委員長、山城勇元会長らもそれぞれ落成の喜びを述べ、来年中の開館に向け資料収集・整理作業と運営企画の検討などを進めるとして協力を呼び掛けた。
 資料館建設の寄付集めに奔走し、落成式に出席するためわざわざ沖縄から駆け付けた西原会長は、センターの運動場で開かれた祝賀昼食会で、新曲「ワンヤ ウチナーンチュ」を披露し、落成の喜びとともにブラジルのウチナーンチュへ力強いエールを送った。
(与那嶺恵子通信員)

落成した移民資料館
金武町が寄贈した石碑
国頭村から寄贈された夫婦像「万国津梁の民」碑