【アルゼンチン】ウチナージマ復活 昨年沖縄角力愛好会が発足


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 アルゼンチンのウチナーンチュ社会では20年近く、ウチナージマ(沖縄角力)が見られなかったが、年長の人たちの集まりの中で角力が話題になり、それが高じて昨年10月ごろ「沖縄角力愛好会」が発足した。

 それ以来今日まで角力選手を募り、10月25日、うるま園で第1回沖縄角力大会を大々的に開くことになった。
 ちょうどこの日は角力大会以外に他団体が運動会やゲートボール大会などを開いており、久しぶりにうるま園は人でにぎわい、秋の運動日和をにぎやかなものにした。
 同会の安田栄一会長と審判委員長の志伊良正常氏、そのほか10人の審判委員の構成で大会は始まった。選手は50人でそのうちウチナーンチュ系はただ1人。残りはアルゼンチン人だった。角力経験者は一人もなく、全選手が柔道や空手の選手だ。
 体重別に四つに分けて試合を展開。見学者たちは当初は好奇の表情で見ていたが、試合が進むに従い周囲に緊張感が漂ってきた。それもそのはず、選手たちの技が本物の角力選手そのものになっているからだ。ウチナージマの特徴である「ヌシ」や「メーガキ」など完全に把握しているようだった。女性選手も7人出場、70歳になる女性が自分の孫と闘い引き分けとなり話題をさらった。
 最後は「花角力」をエミリオ・ブラス選手とアレハンドロ・エリス選手が闘い大会を締めくくった。
 見学者たちのささやきに「沖縄に派遣したいものだ」という声があったことを記しておこう。
(新垣善太郎通信員)

初の沖縄角力大会=うるま園
角力愛好会の役員たち