【ロサンゼルス】創作組踊 海外初上演へ 大城立裕氏原作「海の天境」


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(後列左から)ジェフ・スミス、比嘉朝儀沖縄県人会長。(前列左から)スージー谷田スミスさん、比嘉美好会主、安次嶺律子師=ロサンゼルス京都グランドホテル

 玉城流扇寿会(家元・谷田嘉子、金城美枝子姉妹)は2010年1月31日にロサンゼルス公演を開催する。エルカミノカレッジ・マーシーオーディトリアムでの公演は「琉球芸能のいま」と題し、芥川賞作家大城立裕氏原作の「海の天境(うみぬ てぃんざかい)」を演じる。初めての海外での新創作組踊上演となる。

 海の天境は、2006年に国立劇場で初演され、満員の観客から絶賛を浴びた。物語は15世紀半ば、当時の琉球を支配していた尚徳王と久高島のノロ・クニカサとの恋物語が主題。実在の琉球の歴史人物を登場させ、大ロマンを展開した熱演が観客を魅了、好評を博した。
 沖縄から玉城流扇寿会谷田嘉子・金城美枝子両家元の高弟、比嘉美好、安次嶺律子の両師がスージー谷田スミスさんと一緒に沖縄県人会や、琉球舞踊研究所を訪れ、協力を呼び掛けた。
 ロス訪問中の2人が携えた谷田嘉子家元のメッセージでは「琉球舞踊がことし、国指定重要無形文化財に認定され、わたくしども姉妹が保持者として認定された大きな喜びの年に、長年の夢であったアメリカ公演が実現できることはこの上もない幸せ」と米公演実現の喜びを表現。現在、同公演に向けて門弟一同40人が頑張っている現状を報告し「必ずや皆さまに喜ばれ、感動を与える舞台にできると確信をもっています。ご協力をお願いします」と結んでいる。
 北米沖縄県人会の比嘉朝儀会長は「扇寿会両家元の谷田嘉子・金城美枝子姉妹の息の合ったコンビ舞踊『加那よー天川』と扇寿会ならではのエネルギッシュな創作舞踊にも大きな期待を寄せております」と公演に対してコメントし、全面協力を約束した。
(当銘貞夫通信員)