元日本テレビ映像作家だった村岡淳氏が、記録映像作家としてブラジルから来亜し、ブエノスアイレスの在亜沖縄県人連合会館で作品「アルゼンチン、ブラジルのドキュメンタリー」を上映した。
沖縄県人連合会の新垣定二副会長が村岡氏を紹介し、最初にアルゼンチンの被爆者「消えた女たちの夢、アルゼンチンの被爆花嫁たち」という題目の映像を上映した。その後、それについて10分間ぐらいの説明があった。4人のアルゼンチンに住んでいる被爆した女性が画面で紹介された。皆さん結婚し、孫を持ち高齢だ。戦争の体験談を語っているが、真実味あふれる話が余計、観衆を引きつけていた。
彼女らは当時、海外居住者ということで何の手当もなく、苦しい生活を強いられていて、皆の願いは一つ、日本政府への援助要請であった。その真剣さがあって今ではそれが認められているという。
そこまで窮状を意識して撮影している村岡氏の活動は、賞賛すべきだろう。それもただ趣味でやっているのではない。
仕事を辞めて自らを現場に置き、活動するためブラジルへ移住して20年あまり近隣諸国を駆け巡っているのである。ただの事ではない。誠の移民のための味方なのであろう。
2番目に上映した「第二の祖国に生きて 映像作家の記録したブラジル移民」に見られる移民100年祭典も、詳しく撮影されていた。「60年目の東京物語。ブラジル移民女性の里帰り」を映画にしてみせるなど、移民者にとって頭の下がる思いのする作品ばかりだった。
年まだ若く、これから大仕事できると思われる村岡氏。大いに頑張ってほしいものだ。
(新垣善太郎通信員)