【アメリカ】オペラを衣装で支える 那覇市出身、奥浜さん


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 ニューヨーク郊外にある韓国系教会でこのほど上演されたオペラ「マダム・バタフライ」で、那覇市出身の奥浜沙代子さん=沖縄尚学高校出身=が衣装を担当した。

 奥浜さんはボストンにある大学でファッションデザインを学び、卒業後ニューヨークへ移住。ニューヨークに住み始めてまだ1年足らずにもかかわらず、持ち前の明るさとバイタリティーで、すでにたくさんの交流をもっており、今回はフルート演奏家の友達から紹介されたSeong Sook Choiさんが率いるカリオプ・ミュージック・ソサエティーでの定期公演中、1公演の舞台衣装を担当したという。
 奥浜さんにとっては初のコスチューム作りで、普段創作しているファッションデザインとは違う観点から製作に取り掛かったという。
 物語に添うデザインやいかに舞台で映える色彩にするかなど、マダム・バタフライの人物像を自分なりに解釈しながら、デザインを考える楽しさを十分に満喫した。
 奥浜さんは幼少から琉球舞踊を習い、祖母が日常、お茶や生け花などをたしなんでいるという環境の中、伝統芸能が知らず知らずのうちに体にしみ込んでいたようで、今回の衣装にもそのセンスが生かされた。
 マダム・バタフライの帯には、祖母の古典的な帯を現代風にリメークしたり、羽織は逆に、紅型を思わせる鮮やかな深紅をベースに、斬新な生地合わせ。3人の出演女優への着付けから、舞台袖で演技の進行を見守る横顔までとても頼もしく、今後のさらなる活躍が楽しみだ。
 来月、若手アーティストで構成するTheater Project NYCの初ミュージカルがニューヨークで上演されるという。奥浜さんはその舞台衣装兼スタイリストを担当をするため、毎日が大忙しだそう。(比嘉良治通信員)

奥浜さんが担当したマダムバタフライの衣装
若い感性でマダムバタフライの衣装を担当した奥浜沙代子さん(右から2人目)