懐かしい方からの近況報告を目にした。亀川正東氏が寄せた日本エッセイスト・クラブ発行の会報「会員近況」のページである。
亀川氏との直接面識はないが、小さいころから琉球新報などに掲載された随筆や論文を多く目にした記憶がある。
氏の会員近況には「日本ペンクラブと同じ頃(ころ)、今から50年昔、エッセイスト・クラブに入会して今日まで営々と辛口評論を書き続けて参りました。現在93歳です。これまで筆を休むことなく書き続けてきたのは、日本エッセイスト・クラブの会員という肩書が常に心の後押しをしてくれたからでした。あと何年この世に生きるか分かりませんが、最後まで、日本エッセイストの会員としての名誉を意識して有終の美を飾る決意です」との趣旨となっている。
亀川氏は琉球大学はじめ北九州大学大学院教授、九州女子大学教授、アメリカ・コロラド大学客員教授等を歴任、文学博士の学位をとられた。
亀川氏は2001年に91歳で亡くなった古波蔵保好氏と並んで沖縄出身のエッセイスト、文筆家、文化人として末永く人々の記憶の中に明記されるであろう。
最近、2人のエッセーの一部に触れてみて、自分もその領域の一端に近づくことができるように努力していきたいものだと願っている。
(当銘貞夫、ロサンゼルス通信員)