【ブラジル】懐かしい唱歌で魅了 比嘉さん、父母の地背景に


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懐かしい風景をバックに歌い上げる美由貴さん

 第2回「比嘉テレーザ美由貴、みんなの唱歌・日本の歌」コンサートがこのほど、沖縄県人会本部会館で開かれた。
 美由貴さんは、生まれつき視覚障害がありながら、幼いころから音楽一筋の道を歩み続けているブラジル生まれの2世。

 今回のコンサートでは、1世には懐かしい日本の唱歌と、沖縄の「てぃんさぐぬ花」「えんどうの花」「チョッチョイ子守唄」など34曲を披露。舞台のスクリーンには、懐かしい日本や沖縄の風景と、キーボードを弾きながら歌う美由貴さんがアップで映し出され、約500人の来場者は美しい歌声に魅了されていた。
 美由貴さんは、旧具志川市出身の比嘉良喜・米子夫妻(1957年渡伯)の次女として、1959年にサンパウロ州ジュキア線で生まれた。目が不自由なために、幼いころは普通の学校に通うことができなかったという。
 サンパウロ市に移ってからは、母親に手を引かれて音楽教室に通い、ピアノや歌のレッスンを受けた。18歳のときに、オルデン・ドス・ムジコス(国家試験)に合格し歌手の資格を取得。現在は自宅に開設した音楽教室で教える傍ら「生長の家」や日本語学校でのコーラスの指導、イベントへの出演などで活躍している。
 「2世や3世の人たちにも美しい日本の歌を知ってもらいたい」と舞台で語る美由貴さん。コンサートの最後には、自ら作曲した『海の祈り』を披露、会場から大きな拍手が送られた。ブラジルうるま市民会、ブラジル字具志川同志会ほか9団体が後援。また玉城流扇寿会斉藤悟琉舞道場も友情出演で花を添えた。(与那嶺恵子通信員)