劇作家ジョン・城田氏の小説「Lucky Come Hawaii」の改訂新装版出版と「Voices from Okinawa」(沖縄からの声)の公演を祝うためのフォーラムがこのほどハワイ大学で開催された。
ジョン・城田氏、クリスティン・矢野教授、ジョイス・知念教授の各氏が城田作品とオキナワ系アメリカ文学のウチナー・アイデンティティーやディアスポラ(離散)、今後の可能性について講演した。
山里勝己琉球大教授は同フォーラムに招かれ城田氏の文学について講演。同教授は来年1月にロサンゼルスで「玉城流扇寿会組踊公演―海の天境」で英訳を担当することになっている。
城田氏の演劇「沖縄からの声」ハワイ公演は、週4日間、1カ月以上にわたるロングランで連日満員の盛況だ。物語は沖縄の血をひくアメリカ人大学院生が、沖縄の祖母を訪ね、英語教室を開設。沖縄の若者に英語を教える傍ら、授業を通じてその若者たちと触れ合っていくうちに、基地と共存する沖縄の人々の思いや心を学んでいく。
そこには、米軍によるサトウキビ畑の買収問題や、基地周辺での米軍人による婦女暴行事件、また、アメリカに憧(あこが)れる沖縄の若者たちなどの基地がもたらすさまざまな複雑な問題を抱える沖縄が描かれている。
昨年2月にロサンゼルスでも公演。比嘉朝儀さんがウチナーグチ、眞境名愛子師匠がカチャーシーの指導を担当、好評を博した。公演はすべて英語でなされた。(当銘貞夫ロサンゼルス通信員)