【アメリカ】北米に根付く“チムグクル” ウチナーグチ講座7周年


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7周年の祝いに駆け付けた参加者ら=沖縄県人会館山内ビル

 「ウチナーグチ(沖縄語)を通じて沖縄の精神文化の肝心(ちむぐくる)を北米で根付かせ、沖縄の人間としての誇りとよりどころを築いていこう」と、北米沖縄県人会の比嘉朝儀会長の発案で2002年からスタートしたウチナーグチ・クラスの開講7周年記念発表会と祝賀会がこのほど沖縄県人会館センターで開催された。

 開講当初は6人でスタートした同クラスは、現在40人以上の登録生がおり、生徒は毎月第2、第4金曜の午後7時から9時ごろまで、情熱を持ってウチナーグチを学んでいる。
 祝賀会当日は、一品料理の持ち寄りで、所狭しとテーブルに並べられた郷土料理を味わい、ふるさとの軽快な音楽や民謡に耳を傾けながら、10人の受講生らがスピーチや寸劇など、思い思いの形で日ごろの勉強の成果を披露。ウチナーグチでの陽気なやり取りに、大きな笑いが会館いっぱいにこだました。ペルー2世の薬師(旧姓・比嘉)ローサさんはウチナーグチを学んでいると、「生前、ウチナーグチを話していた自分の母に触れているようで、母の面影が目に浮かんでくる」と涙声で話し「親ぬ面影=ウヤ ヌ ウムカジ」を語った薬師さんに会場から大きな声援が送られた。
 受講生らのスピーチ発表後、1年間受講を継続した受講生25人に修了証書が授与された。そして祝いに駆け付けた眞境名愛子師と門下生が祝賀会にふさわしい琉球舞踊、「揚作田節」と「めでたい節」を舞い、会場は祝賀ムードが漂い、最高潮に達した。続いて山内繁子さん、新垣幸子さん、島美恵子さんの飛び入りスピーチがあり、受講生に激励のエールを送った。
 クラス開講者で、当初から講師を務めている比嘉朝儀会長は「ウチナーグチは、音楽や舞踊、民謡などの沖縄文化の基礎になっている。沖縄語を正しく理解することが、沖縄の歴史や文化を学んでいく上で非常に大切な要素。最終的には、沖縄の精神文化を通じて肝心を北米で育てていきたい」と語り、祝賀会を締めくくった。(当銘貞夫通信員)