【キラリ大地で】アメリカ/デイナ・フジコ・へザートンさん(25)沖縄4世/2世祭りクイーンに


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 昨年夏に開催された第69回2世ウィークの戴冠式典で、パサデナ日系文化会館推薦のデイナ・フジコ・ヘザートンさん(25)=曾祖父が大宜味出身=がクイーンに輝いた。
 女王に輝いたデイナさんは「小さいころから祖父母に連れられてリトル東京を訪ね、日系社会とかかわってきました」と語り、俳優で司会のタムリン・トミタさんやABCテレビのアンカー、デイヴィッド・オノさんらと肩を抱き合った。

 2世ウイーク・クイーンの役割は重大で、アメリカと日本の親善大使を務め、ロサンゼルス市と名古屋市の姉妹都市関係強化のため名古屋を訪れたり、日系団体の代表として多くのイベントに出席したりで、終生「2世ウイーク・クイーン」の名前は消えることなく、大きな栄誉となる。県系ではシャネル・キクエ・ハマバタさん(1997年)、タムリン・トミタさん(84年)らがいる。
 デイナさんはカリフォルニア州立大学LA校(UCLA)卒業、アメリカ文学と文化を専攻した。現在はロサンゼルス・ダウンタウンでキャピタルグループ社の金融関係の仕事に従事している。自由時間はバスケットボールに興じ、LAの歴史の研究、映画館へ行くのが趣味。今秋には法律学校に進学、法曹関係の仕事を志す。博物館を開きLAの歴史に貢献したいとの意欲に燃える。
 デイナさんの曾祖父は大宜味村出身の糸村牛之助さん。牛之助さんはよくデイナさんに「あなたは日本人ではなく、ウチナーンチュだ」と諭したそうで、家族全員がそのことを誇りにしてきた。現在南カリフォルニア大学(USC)の博士課程で学ぶ姉のクリスティーさんも含め家族ほとんどが松林流空手道場で琉球空手を学んでいる。
 デイナさんの父ヘザートンさんは芸能一家。叔母のアウント・ヘザートンさんは女優、歌手、ニューヨークのブロードウェイで活躍した。祖父はニューヨークでテレビの子供番組を持った。父親は長い間、ロサンゼルスとニューヨークでラジオのディスクジョッキーをした。デイナさんの母リンダさんは日系3世で、祖母と一緒に映画「王様と私」、「八月十五夜の茶屋」などに出演した。
 「日本は4回訪問したが、沖縄はまだで、近いうちぜひ実現させたい。沖縄県人会の役員就任式に初めて出席し規模の大きさに感嘆し早速会員になった。日系コミュニティーの一員として大きく貢献したい」。クイーンとなりデイナさんの意欲はますます膨らむばかりだ。(当銘貞夫通信員)

クイーンとなったデイナさん
(左から)母リンダさん、デイナさん、姉クリスティーさん。