【アメリカ】9年連続 琉舞魅せ 金城平枝・山城吉美さん


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9年連続して米国訪問し、琉舞を披露している金城平枝さん(左から2人目)、山城吉美さん(右端)と共演の利江・セルべーニィさん(左端)、渡辺陽子さん

 ワシントンDCでは、3月下旬から2週間にわたって桜祭りが開催され、世界中から100万人の観光客が訪れた。各イベント会場では、日本の文化、芸能の数々が紹介された。過去9年連続、毎年この時期に訪米し、琉球舞踊を披露しているのは、金武町で玉城流琉舞道場を開いている金城平枝会主と実妹で師範の山城吉美さん。

 昨年優秀賞を取った実姉の利江・セルベーニィさん(ノースカロライナ州在住)と糸満市から師範の渡辺陽子さんも加わり、ワシントン沖縄会の門下生ともども沖縄芸能のアピールに一役買った。
 1週目は、ワシントン記念塔側のイベント会場で演じた。幕開けの「踊ぃくゎでぃーさー」が始まると舞台の前は黒山の人だかり。花笠と紅型衣装に身を包み、客を歓迎する優雅な舞のクライマックスを迎えると、突然獅子が踊り出て来る演出で、金城会主と山城さん2人の「獅子舞い」の力強い舞が観客を魅了した。
 渡辺師範は「打組日傘」を舞い、女性の情感たっぷりの踊りを見せた。金城会主が創作した金武町並里区の「ムスナイナイ」は、軽快なリズムに乗った女性たちの可憐(かれん)な振る舞いが拍手喝采(かっさい)を浴びていた。
 「谷茶前」をはじめ、9曲が披露され、最後の「黒島口説」では、地元の門下生たちが、短期集中けいこの成果を見せた。初めて琉球舞踊を見たという米国人一家は「沖縄の踊りは、すごい。最初から最後まで楽しんだ」と笑顔で話した。
 翌週は「なぎなた」などを紹介し、恒例のワシントンDC沖縄会の新春会にも出演した。3週間にわたって琉球舞踊を披露した金城会主は「基地問題に揺れているが、沖縄からの石がはめ込められているワシントン記念塔の前で琉舞を披露でき、少しでも平和につながる手伝いができることと地元の沖縄会の生徒さんの協力のおかげで、毎年訪問できることに感謝している」と語った。(鈴木多美子通信員)