【ハワイ】沖縄研究で基金設立 ハワイ大学沖縄センター


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夫婦の名前を冠した基金が設立される仲宗根ツル子さん(左)。中央の写真は若いころのマツロウさん、ツル子さん=ハワイ大

 ハワイ大学マノア校の沖縄研究センターにこのほど、同大東西センターで沖縄プロジェクトコーディネーター補佐を務めた仲宗根ロバート氏の家族が、母ツル子さんの100歳祝いを記念して基金を設立した。

寄付額3万6千ドルの「仲宗根マツロウ、ツル子基金」は研究員の旅費などに充てられる。沖縄研究センター設立以来、家族単位からの基金寄付は初めて。
 「母の100歳を記念して、両親に意義ある形で敬意を表したかった。私たちに、家族の絆(きずな)、沖縄の文化、そして教育の重要性を教えてくれたのは、両親であることから、沖縄研究センターの支援のため、基金設置をすることにしました。両親に対して私たち家族からの感謝の気持ちです」とロバート氏は語る。
 マウイ島生まれのツル子さんは、幼年期のほとんどを沖縄で過ごし、17歳で沖縄からハワイへ移民しマツロウさんと結婚した。
 マツロウさんは、プランテーション農場の作業員を経て、ラナイプランテーションの調理人となる。一家は、その後、ホノルルへ移り、下町で小さなホットドッグ店を開業、5男1女に恵まれた。初期の移民家族が皆そうであったように、生活は楽ではなかった。ひたむきな努力と強い精神力で苦難を乗り越え、商売を成功させ、6人の子どもを大学へ送った。「母は、転ばないようにつえをついて歩きますが、意思もしっかりしていて、とても元気です」と仲宗根氏は話す。
 沖縄研究センターは2008年7月1日に設立。沖縄の社会、環境、文化、歴史の研究を推進し、沖縄文化と県出身移民の理解を深める目的で設立された。
(名護千賀子通信員)