【ブラジル】天国の父のために 比嘉さん、両親の故郷で初公演


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沖縄で初のコンサートを開催する比嘉テレーザ美由貴さん(後ろ)と母の米子さん

 生まれながらの目の障がいを乗り越え、ブラジルで音楽活動を続けている県系2世の比嘉テレーザ美由貴さん(51)が、7日にうるま市民芸術劇場で公演する。9月に父親が急逝した比嘉さんは「天国の父のためにも」と、初めてとなる父母の故郷・沖縄での公演に向け意気込んでいる。

 2009年10月に第2回コンサートをブラジル沖縄県人会館で催し、その歌声は多くの人を感動させた。父母の故郷・沖縄で歌いたいという美由貴さんの夢は、感動した周囲の人々の応援や西原篤一沖縄ブラジル協会会長・ブラジル在那覇名誉領事の尽力で実現した。うるま市では公演実行委員会(知念恒男実行委員長)が組織され、同市、同市議会、同市教育委員会が共催する。
 沖縄公演への期待に胸を膨らませていた美由貴さんだが、公演を楽しみに航空券まで購入し準備をしていた父、良喜さんが9月3日に脳卒中で突然の他界という不幸に見舞われた。
 一時は公演を断念しようと考えたが、母、米子さんの「お父さんの夢でもあったのだから」という勧めもあって、予定通りの公演開催を決めた。
 そんな美由貴さんを激励しようと、ブラジルうるま市民会(天顔貞雄会長)、ブラジル字具志川同志会(前堂正順会長)共催でこのほど壮行会が開かれた。西原会長からのメッセージも代読された。
 美由貴さんは「応援してくださるブラジルと沖縄の皆さんの心に応えられるよう、そして天国にいる父のためにも力いっぱい歌ってきます」とあいさつし、「浜辺の歌」「砂山」など8曲を披露した。
 美由貴さんはいとこの安江さん夫婦と共に訪沖する。
(与那嶺恵子通信員)