【島人の目】学生がつくる沖縄の未来


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 学生が作る沖縄未来情報誌「Act!=行動」を開いてみた。沖縄企業経営者の紹介、エコ(もったいない論)、就活などカラー写真を主として、ウェブサイト形式で新しいタイプの活字出版となっていて興味深い。この小冊子は琉大を中心とした沖縄サイフが今年の日本大会でルーキー賞を獲得したプロジェクトの一環である。沖縄ではまだサイフについての取り組みが始まったばかり。

 今年のサイフ(SIFE=Students In Free Enterprise)世界大会にオブザーバーとしてロサンゼルスを訪れ、北米沖縄県人会との懇談会に出席した琉大の牧志朝英さんは「私たち沖縄生まれ沖縄育ちの若者よりも、遠い異国の地で沖縄に想(おも)いをはせ、沖縄の文化・芸能に誇りをお持ちになっている皆さまと交流ができ、大変刺激になりました。サイフの活動を通して起業した学生はおらず、沖縄の経済の自立、国際交流の島実現に向けて、沖縄社会に貢献することを目的に活動しております」と帰国後感想をメールで送ってきた。
 当日学生の引率をした琉球大学の特命准教授宮里大八さんは「米国から沖縄に戻ってから中国に1週間行き、そして再度渡米しています。今回は、NASAのスペースシャトルの打ち上げに立ち会うためフロリダに来ています。琉球大学が参加している宇宙教育プロジェクトで、芝の種子が国際宇宙ステーションに6カ月間保管されます。私は、2050年までに沖縄からノーベル平和賞の受賞者を、というのが夢です」とフロリダから電子メールを送ってきた。
 沖縄の青年らと会って感じたことであるが、未来に希望を託しているのが印象深く胸に刻まれた。彼らの前向きな態度に賛辞を表し、今後のプロジェクトの推進にエールを送ることができれば幸いである。
(当銘貞夫、ロサンゼルス通信員)