【アメリカ】言葉学び出身に誇り ウチナーグチ教室8周年発表会


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
受講証書を手にウチナーグチ教室8周年を祝う受講生と講師の比嘉朝儀さん(前列右から3人目)=北米沖縄県人会ヤマウチ・ビル

 古里の言葉への理解を北米で根付かせて、沖縄の人間としての誇りとよりどころを築いていこうと、北米沖縄県人会の比嘉朝儀会長は、このほど、カリフォルニア州ガーデナ市の県人会館でウチナーグチ教室開講8周年記念祝賀発表会を催した。

教室の講師は比嘉会長が兼任しており、13人の生徒が約3分から5分の持ち時間で次々とスピーチや寸劇を披露。沖縄語での陽気なセリフに会場に大きな笑いがこだまし、観客は古里に思いをはせた。
 ペルー二世のローサ薬師寺さんは「沖縄語はとても美しい言葉である。比嘉先生がウチナーグチで講義している時のきれいな音の流れに聞きほれて、先祖が沖縄出身であることに誇りを持っている」と語った。
 飛び入りのプログラムに旧大里村出身の山内繁子さんが「日々ぬ暮らし方」、本部町出身の桃原昌夫さんが「地域で発音が違う島くとぅば」、そして那覇市小禄出身の川手順子さんが「地元の島くとぅば」と題して、それぞれのシマの言葉でスピーチし、会場から大きな拍手が送られた。
 講師の比嘉会長から生徒には受講証書が授与された。「沖縄の精神文化を理解して初めて沖縄の心は育つ」と話す比嘉さんは、沖縄の歴史や文化、地理などの要素も絡めながら、自ら作成した英語での指導書を基に文法や発音、抑揚などを指導している。「将来は世界各国に拡散しているウチナーンチュと言葉を軸に交流していきたい」と抱負を語った。
 祝辞に立った徳永愛子文化部長は、「沖縄芸能を学ぶ上で大切なことは沖縄語である。言葉を理解して初めて至芸に近づくことができる」と述べた。(当銘貞夫通信員)