【アメリカ】飢餓救済へ歌声披露 ゴスペル歌手の上原令子さん


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チャリティーコンサートで、心にしみるような数々のゴスペル・ミュージックを独唱した上原令子さん=トーランス市のダブルトリー・ホテル

 ロサンゼルスに隣接するトーランス市でこのほど、「心にしみる上原令子の歌とおはなし」と題して、沖縄からゴスペル・ミュージシャンの上原令子さんを迎えて、チャリティー・コンサートが開催された。

 ゴスペル・ベンチャー・インターナショナル教会の前原利夫牧師の教会も協力し、エナジック社と保険エージェンシーの金城義男氏がメーン・スポンサーになり、トーランス市長の支持もあった。
 当日の観客は約450人、売り上げの全額を「日本国際飢餓対策機構」へ寄付した。
 同機構は、1981年に1人の日本人がインドシナ難民支援から帰国したのを機に活動開始。以来、アジア、アフリカ、中南米の発展途上国で現地のパートナーを尊重し、人々の体の飢餓と心の飢餓の解決のために働いている。モットーは「飢餓のない美しい世界の実現」にある。
 上原令子さんは沖縄生まれ、アメリカ兵の父と日本人の母との間に生まれたが、実父の顔を知らずに育った。上原家の養子として大切に育てられたが、ハーフとして、差別や自分のアイデンティティー喪失に悩んだ。プロ歌手を目指したが、挫折。生きる力を失ったときにキリスト教に出合った。その喜びを数々の歌にした。
 コンサート終了後のあいさつで前原牧師は「つい最近南アフリカに行ってきました。貧富の差にあぜんとしました。アフリカの一部では食べ物が極端に不足、子どもたちが地面にはいつくばり小石を口にしている風景があった。間もなく彼らは死んでいく運命であることを知って嘆息した」と語った。(当銘貞夫通信員)