【ペルー】継承へ三線部品 那覇から届く 研修生の4世つなぐ 西原町人会へ


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呉屋守将名誉領事から贈られたばちなどをリチャード屋宜文化部長(左から2人目)に渡したフェルナンド仲宗根さん(左)ら関係者

 在那覇ペルー共和国名誉領事館の呉屋守将名誉領事から贈られた三線の部品(ばちなど)25セットがこのほど、2010年度西原町研修生として6カ月の研修を終えて帰国したフェルナンド仲宗根さん(45)=4世=によって県人会(ビクトル安里会長)に届けられた。仲宗根さんが受け取った25セットは、在ペルー西原町人会(エレーナ崎原会長)に寄贈された。

 沖縄からの戦前移民は30日以上もの長い船旅で異国ペルーの大地へとたどり着いた。船上でも三線が奏でられ、サトウキビ耕作地での農作業の後の夕暮れ時には、三線を奏で、はるか故郷の沖縄をしのびながらその日の疲れを癒やしたといわれる。先駆移民から105年の歳月がたち、今では3、4世たちが祖父、曾祖父が奏でた三線の哀愁のメロディーに目覚め、グループを組織し、沖縄の伝統芸能の継承に奮闘している。
 現在、3、4世で組織された歌・三線グループが3組(ハイサイ・ウチナー、カチャーシー、チャンプルー)あり、県人会の催し物はもとより、各市町村人会の節目を祝う祝賀会や、個人の成年祝いなどにも引っ張りだこで人気が高まっている。(赤嶺光弘通信員)