ハワイ移民 写真、文で紹介 鎌倉市在住の松元裕之さん


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県系2世の資料を前に展示会をアピールする松元裕之さん=22日、目黒区

 【東京】ハワイの日系移民2世の足跡を記録する松元裕之さん=鎌倉市=が22日から27日までの期間、渋谷区のタンバリンギャラリーで「ハワイ日系二世の記憶」写真&短文展を開催している。

展示している24人のうち4人が県系2世だ。第2次大戦を前に「敵国人扱いの日系人の立場を、軍隊に入り、命を懸けて飛躍的に向上させたのが日系2世。彼らの記憶を残し、伝える機会。展示会を通して何かを感じてもらいたい」と話している。
 松元さんは、これまでハワイの日系移民31人のインタビューを収録してきた。うち4人の県系人はロバート・アンセ・アラカキさん(87)、ジロー・コジャさん(88)、スタンリー・ユタカ・イズミカワさん(86)、ジョセフ・オオシロさん(87)。
 イズミカワさんは職探しの苦労の末、442連隊の募集に応じて歩兵として最前線で厳しい戦闘経験がある。その後、軍隊の優遇制度を使って大学を卒業し、マウイ島の高校で校長を勤め上げたという。展示会では、100大隊に所属した県系2世らの若年時の写真とエピソードを短文で紹介している。
 松元さんは移民2世の苦労の記憶が薄れる中で、日本側からも、その足跡を残そうとNPO法人「NAC―J(ニセイヴェテランズ・アクションセンター・オブ・ジャパン)」を設立している。「敵国人の地位から今の立場にまで向上させたのは、米本国より、むしろハワイの日系人2世が主体になって始まっている」と指摘する。
 31人の600時間に及ぶインタビューも4月末までに90分程度に編集し、今年のホノルル映画祭に出品予定という。「展示会は映画の資金づくりの面もある。2世も高齢化が進み、早く完成させて、まずは2世の人たちに見てもらいたい」と話す。
 支援や問い合わせは、NAC―J(電話)090(3501)1249。