【キラリ大地で】アメリカ/ビデオゲームオケ率いる仲間将太さん


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仲間将太さん

新進音楽家 研究も貢献
 米ボストンを拠点に新たな音楽を発信する「ビデオゲームオーケストラ」を率いる仲間将太さん(29)=那覇市出身=は、音楽の分野だけでなく、作曲の才能を生かし大学の研究にも貢献している。世界が注目する新進気鋭の音楽家は活動の幅をさらに広げている。

 仲間さんが現在の拠点、ボストンに移ったのは2006年。大検に合格し、渡米した時、最初はシアトルの大学に入学した。数学と音楽を専攻したが、担当の教授にどちらか一本に絞るよう勧められ、音楽の道を志した。その際に編入先に選んだのがボストンの名門、バークリー音楽大だった。
 ボストンは大学の街だ。その中でも多数のノーベル賞受賞者を輩出、世界最高レベルの大学といわれるハーバード大とマサチューセッツ工科大(MIT)での研究に仲間さんは協力してきた。
 ハーバードでは作曲家の教授に依頼され、楽譜をコンピューターに入力、楽器のパートごとの譜面を作った。曲はシアトル交響楽団が演奏した。MITでは最先端のゲームプログラムデザインの講座で学生の作るゲームに合わせた音楽を提供した。
 「学生のプログラムとはいうものの、出来栄えはプロ並み」と仲間さんが評する作品に自らの曲を組み合わせた。こうした研究者や学生との出会いは「とても刺激になる」と語る。
 またボストンには優秀な学生が世界中から来る。仲間さんが率いるオーケストラには四つの大学や大学院の学生がいる。しかし留学生の持つ学生ビザは副業による収入を認めないため、仲間さんは「土台を築く一つの手段として」オーケストラをNPOにして奨学金として支給したいと、次の目標も掲げた。
(比嘉良治通信員)