ブラジル参加激減 世界のウチナーンチュ大会


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 東日本大震災による原発事故の影響で、10月13日に開かれる第5回世界のウチナーンチュ大会へのブラジルからの参加申込者が震災前より激減していることが9日、分かった。

2月に766人いた申込者は、原発事故による放射性物質流出への不安を理由に辞退者が相次ぎ、約450人にまで減り、さらに減る可能性があるという。4月9日から5月1日までブラジルを訪れた安谷屋〓裕沖縄ブラジル友好協会長が旅行業者から情報を収集し明らかにした。
 ブラジルに住む県系人は十数万人といわれ、5年前の前回大会では436人が参加している。安谷屋会長によると、県系人の参加申込者は、3世、4世が多く、インターネットで日本の原発事故の情報を得て、不安が広がっているという。1世や2世からも、安谷屋会長に「孫が沖縄に行く予定だが、大丈夫か」との問い合わせがあった。
 安谷屋会長は「今は3世、4世の時代になり、インターネットなどを使って日本の情報をリアルタイムで得ている。しかし彼らは日本語ができない人が多い。参加者を減らさないために沖縄は大丈夫と伝えるにしても、ポルトガル語で発信する必要がある」と指摘した。
 県の大会実行委員会事務局によると、現在、大会参加者数の報告を海外の各県人会に求めている段階で、震災の影響で辞退者が相次いでいる事態は把握していない。だが米国などから「(震災の影響で)大会は中止するとのうわさがあるが開催するのか」などの問い合わせが数件あるという。このため県は4月26日、各県人会に対し、大会は予定通り開催するという趣旨のメールを一斉に発信した。

※注:〓は「準」のサンズイがニンベン