北米沖縄県人会の文化活動の一部として、比嘉朝儀さんが2002年にウチナーグチ・クラスを開講して9年が経過した。その授業風景の参観にこのほど琉球大学から2人の研究員が訪れた。琉大教授・沖縄語普及協議会理事の宮良信詳さんと島袋盛世准教授で、授業参観のほか、講師と受講者のインタビュー、事前に送付してあったアンケート調査票の回収が目的であった。
世代交代が進み、ウチナーグチを話す1世も減少する中、沖縄語を北米で語り継ごうと開講された同クラス。
講義内容はウチナーグチ講座、沖縄の歴史・文化風俗習慣、琉球民謡など言葉の意味を面白く楽しく比嘉さんが解説する。
受講者の大半は沖縄系2世3世で、南米2世や本土出身者、沖縄に関心を示すアメリカ人や一般人だ。各自が沖縄料理持参で和気あいあい楽しい雰囲気。夏休みを利用して、アジアスターディや言語学を専攻する大学生、日本各地の大学からの言語学者らもクラスを訪れるほど、ユニークなクラスとなっている。
この日の講義は、比嘉朝儀講師が毎月のウチナーグチ講座を進め、その後自己紹介、そして座談会形式で討議し、意見を発表した。宮良教授は「沖縄語普及委員会で小さな子どもたちにウチナーグチを教えているが、最近富に意欲的になったのではと感じている」と委員会の様子を説明。島袋さんは「英語でウチナーグチのテキストを作成中、間もなくハワイ大学で出版予定」と話した。ハーバー・カレッジで日本語を教え、UCLAで日本語の研究をしている大西良子さんと、カリフォルニア大学サンタバーバラ校言語学部の博士号候補者・高良宣孝さんが当日ゲストとして参加した。
(当銘貞夫通信員)
英文へ→Uchinaguchi class of the Okinawa Association of America marks its 9th anniversary