【アルゼンチン】1世らのよりどころに 高齢者福祉施設が落成


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多くの人々の協力によって3月に完成した高齢者福祉施設の落成式=ブエノスアイレス市内

 在アルゼンチン沖縄県人連合会の高齢者福祉施設落成式が5月21日、ブエノスアイレス市サーベドラ街576番で行われた。本来は3月に行われる予定だったが東日本震災の影響で延期されていた。

 高齢者福祉施設は、沖縄県からの助成金、沖縄県市町村会、沖縄県の企業や個人、沖縄アルゼンチン友の会や日本万博記念機構などからの寄付や助成金で建てられたもの。5階建てで、1階に食堂、多目的ホールを備え、2人部屋の14室バリアフリーで、エレベーターも付いている。お年寄りが暮らしやすいように工夫している。
 曇り空の肌寒い中、石田仁宏大使、植松聡領事をはじめ150人近くの参加があった。はじめに、沖縄県人連合会の新垣定二会長があいさつし「沖縄移民100周年記念事業の一つとして2008年より4年がかりで取り組んでいた高齢者施設が、沖縄の皆さんのご好意の寄付で3月にようやく完成し、感謝します」と多くの協力に礼を述べた。
 また、建設委員会の第3期目の新里孝徳委員長は「1世が待ち望んでいた高齢者施設が皆さんのご協力で完成し、スペイン語も話せない1世の方の心のよりどころになって、ユイマールの心を持った施設になってもらえれば」と語った。石田大使は「沖縄の協力を得て立派な施設ができた。本国日本でも、少子高齢化で保険や医療などの問題がある中、沖縄県人会も将来性を見据え、先見性を持った施設となった。日系社会全体のこととして望ましいことで、期待しています」と祝辞を述べた。
 在亜日系団体連合会会長の生垣彬会長、元沖縄県人連合会会長で今回現場担当として業者との交渉や監督を務めた屋宜宣太郎さんなどのあいさつがあり、元沖縄県人連合会会長の玉城昌一さんの乾杯の音頭で立食パーティーとなった。また、野村流亜国支部のメンバーが新築祝いのかぎやで風節の嘉例の演奏で落成式に花を添えた。
(知名致通信員)