【島人の目】波照間永吉教授と家族


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 沖縄県立芸術大学付属研究所の波照間永吉教授から「竹富方言辞典」が届いたのはつい最近のこと。1800ページの大書である。著者の前新透さんをサポート、何回も石垣市まで足を運び、完成にこぎ着けた。2年前にも「鎌倉芳太郎資料集 民俗・宗教編」を送ってきた。高質な著書である。

 沖縄県教育委員会が最近出版した『沖縄県史 各論編5 近代』の琉球新報に掲載された私の書評について、波照間教授は「手にしたいという思いになりました。書評の役割は読者にその気持ちを持たせることだと思います。立派な文章で、その役割をしっかりと果たされたと思います」と感想を送ってきた。「書評」は好評で多くの方から賛辞が寄せられた。感謝にたえない。
 同教授は宮古島トライアスロンの連続18回出場を今年成し遂げるという強い意志の持ち主で、あまり知られていない一面を持っている。
 娘の陽さんは、「ようやく5月から学校が始まり、博士課程大学院生としての自覚がわいてきました。今は、良い研究論文に至る長くて暗いトンネルに突入し、壁にぶつかりながら、黙々と勉強する時期です。早稲田大学の琉球・沖縄研究所で国際シンポジウムの運営に携わり、日々社会経験値を積んでおります。国際シンポジウムに関しては、今後、北米沖縄県人会の方にもお知らせしたいと思っています」と博士課程に挑む心構えと多少の戸惑いの胸の内を吐露してきた。
 息子の永楽さんはカリフォルニア大学リバーサイドに留学。琉球新報に掲載されたインターン生の私の記事について「沖縄の現状、沖縄が抱える問題、沖縄の将来、これらの課題は、未来を担う私たち若い世代が中心になって取り組まなければならない課題です。僕たち若い世代がそれぞれの分野で各自の視点からアプローチして理想を実現していくことが、これからの沖縄をつくっていくことにつながるんだなと感じました」との感想を送ってきた。波照間家は私にとってかけがえのない存在である。
(当銘貞夫ロサンゼルス通信員)