【ハワイ】心の傷 ハワイで癒やす 原発被災 避難68人


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 東日本大震災被災者支援のためにマウイ島に設立されたNPO「アロハ・イニシアティブ」が推進している「ハワイに避難しませんか」運動は、やっと実を結び、7月4日朝、被災者68人が大挙して来布した。同NPOが全ての経費を負担して招いたもので、10日から90日間マウイ、オアフ、ハワイ島に滞在して、被災によって受けた心の傷を癒やすことにしている。

 この日、ホノルル国際空港には、一行を世話するホストファミリーやボランティア、ホノルル福島県人会のメンバーらが出迎え、花レイを贈り温かく歓迎した。
 歓迎式では、アバクロンビー知事や加茂総領事、スポンサー代表らが心のこもったあいさつを述べ、一行の来布を喜んだ。
 来布した68人のうち、46人はマウイ、18人はオアフ、4人はハワイ島に滞在する。
 ほとんどは福島原発のために避難生活を余儀なくされている人たちだが、中には家族を亡くした人も。カイムキの原口家に滞在する田中大輔氏(36)は、妻子を亡くして悲しみに打ちひしがれている被災者。「今何をしていいか分からない。いまだ全てを受け入れることができない」と空港で言葉少なに心境を語っている。
 この運動を推進しているマウイ郡副郡長のキース・レーガン氏は「多くのスポンサーやボランティアが集まり、こうしてきょうの日を迎えることができました。皆さんはハワイの人々のアロハスピリットを酌んで、大いにハワイを楽しんでください」と語った。
 スポンサーを代表してファースト・ハワイアン銀行会長のホーナー氏は「皆さんはハワイに立派な友人を持つことができました。皆さんにとって、きょうが新しい未来の第一歩となるよう祈ります」とあいさつした。
(パシフィック・プレス提供)