【島人の目】一枚の古き写真


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 要美優さんが米コロンビア大学で心臓移植を受けたのは最近のことだ。術後は良好で、釣りにも出掛けたとニューヨークからニュースが伝えられた。新崎進悟さんがカリフォルニア州UCLAの付属病院で心臓移植を受けたのは2001年10月11日であった。

原因不明の難病「拡張型心筋症」という重い心臓病にかかり、心臓移植以外に助かる道はないと、米での心臓移植手術となった。多くの方からの援助の手が差し伸べられた。下地幹郎衆議院議員もその一人であった。
 下地議員が病院に見舞いに訪れた日の一枚の貴重な写真が見つかった。写真は県人会歴史書編纂委員会が編集会議を行った今年7月9日のこと。回復時の進悟さんを見舞った下地さんは激励の言葉と募金した見舞金を渡したのだろう。その時見舞いに来ていた故山城春雄元県人会長が写した写真と判明した。
 下地さんは当時若干40歳、新進気鋭の沖縄県選出衆議院議員で、県民の注目を集めていた。アメリカ有力者と懇談のためワシントンに行く途中進悟さんを見舞ったものと思われる。多忙なスケジュールでの温かい思いやりの心情に心ひかれる。
 だが、最近の下地議員の普天間や辺野古に対する政治的意見は沖縄県民の民意に沿っているか、疑問視する向きもあるのではないか。大多数の県民は「沖縄の米軍基地は縮小してほしい」と願っているはずだ。県民の民意を大切にする政治家はきっと住民から愛され、期待される大きな政治家となるであろう。
(米国ロサンゼルス通信員)