先人たたえ 継ぐ心 ブラジル県人会85周年


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上原良幸副知事が107歳の上地マツさんに表彰状を手渡したブラジル沖縄県人会の85周年記念祝典=27日、ブラジル・サンパウロ市

 【ブラジル・サンパウロ市27日宮城久緒】ブラジル沖縄県人会創立85周年記念祝典(主催・同県人会)が現地時間の27日(日本時間28日)にサンパウロ市内のブラジル沖縄県人会館で行われ、同国内の県系人ら約700人が出席した。

創立に関わった先人の功績をたたえ、ウチナーンチュ精神の若い世代への継承を誓った。
 祝典にはブラジル側から与那嶺真次(しんじ)ブラジル沖縄県人会長、大部一秋(かずあき)在サンパウロ日本国総領事、沖縄側から上原良幸副知事、城間俊安県町村会会長(南風原町長)らが出席。
 与那嶺会長は「沖縄から1万人を超える戦後移民がブラジルに移り住み、戦前移民と一体となって県系人社会の基盤をつくった。先人の偉業に敬意と感謝をささげたい」とあいさつした。
 祝典では1924年に移住した107歳の上地マツさん=名護市出身=に上原副知事が表彰状を贈呈。上地さんは「ここまで生きられたのは家族や周りの皆さんのおかげだ」と喜んでいた。その他100歳以上の高齢者4人、90歳以上100歳未満の高齢者43人に県から表彰状が贈られた。
 祝典後の祝賀芸能アトラクションでは県の南米キャラバン隊と琉球國祭り太鼓ブラジル支部やレキオス芸能同好会エイサー太鼓がエイサーを披露。最後は会場全体にカチャーシーの輪が広がり盛り上がった。
 1908年6月に笠戸丸で県人325人がブラジルに上陸。以降、各地域に県人会がつくられ、26年にブラジルの全地域を網羅した球陽協会が創立し、県人会の前身となった。

英文へ→Brazil Okinawa Kenjin-Kai celebrates 85th anniversary by honoring forerunners’ efforts