114丁を三線と認定 対米請求権協が南米とロスで鑑定


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琉球三線の鑑定と琉球諸語の収録作業の結果を報告する訪問団のメンバー=1日午後、県庁

 社団法人県対米請求権事業協会は7月5日~8月4日、ブラジル、アルゼンチン、ボリビア、ペルーの南米4カ国とロサンゼルスに訪問団を派遣し、調査を行った三線鑑定と琉球諸語収録の結果について1日、県庁で報告した。

三線は全体で400丁を調べた結果、114丁を七つの型がある琉球三線と認定。琉球王府時代のものとみられる三線がペルーで3丁、ブラジルで1丁見つかった。
 琉球諸語については4カ国で県系1世と2世の50代から90代の84人に聴取。自らの生い立ちなどを語ってもらい録音した。琉球諸語には「奄美語」「国頭語」など六つの言語があるとされるが、今回南米で聴取したのは本島中南部で話されている「おきなわ語」がほとんどだった。協会は12月中旬にもCDで販売する予定。
 協会は同日、仲井真弘多知事を訪ね、報告した。琉球三線楽器保存育成会の岸本哲雄会長は「ブラジルで見つかった『平仲知念型』など貴重な三線が数多く残されており感動した」と話した。
 琉球諸語について県対米請求権事業協会の善平朝信審査専門部長らは「現在と違う昔ながらの抑揚も残っていた。街に住んでいる人より田舎で農業をしている人の方に昔ながらの言葉が残っていた」と話した。