【ワシントンDC】米移民の苦難学ぶ 高校生ら県人会と交流


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 2011年度海外県人会ホームステイ派遣が、8月15日から10泊14日の日程であり、高校生ら12人が米国を訪れた。このうち6人は、ワシントンDC入りし、沖縄会のホストファミリーに迎えられた。学生らは、県人会や実際に移民で来た人たちとの交流を通して、移民国である米国で移民の歴史などを学んだ。

 沖縄会会員であるベトナム系アメリカ人のチー・ラッセルさんの話を聞いたほか、日系人戦没者記念碑を訪れ、そこで442連隊戦闘団として従軍したテリー・島さんの沖縄系の移民の歴史や強制収容所のエピソード、そして日系2世たちのヨーロッパ戦線に関するスピーチに耳を傾けた。
 その記念碑の東側にある国会議事堂では、上院議員の元で働く名護市出身の英子・フィエルド(照屋)さんの息子クリスチャン・タモツ・フィエルドさんらの案内で議事堂を見学。上院議員室にも入ることができた。
 ジョージ・ワシントン記念塔では、1989年に沖縄から献呈され、はめ込まれた琉球の石について、沖縄会元会長の真栄城美枝子さんが講義した。その後ホワイトハウスを見学したり、世界政治の中心地ワシントンDCを散策した。21日には、沖縄会主催の恒例のピクニックに参加。学生らは沖縄についてそれぞれ英語で発表した。
 知念裕弥さん(陽明高2年)は「ホストファミリーの優しさで緊張が解けた」、荒井奈つ乃さん(沖縄尚学2年)は「沖縄を離れて沖縄を複眼的な目で見ることができる」、比嘉友里乃さん(読谷高3年)は「米国にはいろいろな人種の移民がいてびっくりした」とそれぞれホームステイの感想を話した。
 引率者のNGOセンターの岸本佳子さんは「この2週間のプログラムを通して、若い彼らがウチナーネットワークをつなげていけたらいい」と話した。
(鈴木多美子通信員)