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「Doing good for the community」(地域社会への貢献)と「Do your best and Have FUN」(ベストを尽くし、楽しむ)をモットーに何事にも家族一致団結の姿勢で取り組んでいるバウチャー家。その原点は、1991年、嘉手納で当時空軍兵だった一家の主、デビット・バウチャーさん自らが組織した非営利団体の「ライジングサン・ランニングクラブ」にあった。
ゴールデンウイークに行われた同クラブのマラソン大会は、日米の3千人の走者と1万人の観客でにぎわい、毎年規模が大きくなっていった。大勢のボランティアも動員され、各団体から20万ドルの寄付が集められた。この組織の成功が渡米後のバウチャー一家の地域社会への奉仕の続行とファミリービジネスを成功させる上での接客の在り方を学ぶ礎になった。
デビットさんは、MBAを取得し現在、ボーイング社でシステムエンジニアとしてコンピュータープログラムのマネジャー職に就いている。そして、沖縄会の新春会では、音響を担当している。
夫人の厚子さんは、名護市羽地出身。家族をサポートしながら地元の老人ホームでボランティアとして働いてきた。そして、沖縄会の行事では、裏方を務めている。
長女の飛鳥さんは、大学卒業後、ズンバダンスの講師から今では、フィットネス事業のオーナーとして会社経営に携わっている。会社「Azuka―Bom」は、成長し現在、6千人のメンバーと14人の従業員がいる。5年前からファミリービジネスになり、デビットさんが共同経営者に加わり、最近オランダ留学から帰って来た次女の愛里さんがアシスタントマネジャーを務めている。
飛鳥さんは、「会社の社訓は、スタジオに来る人たちとの信頼関係を築き、喜んでもらうこと。単なるフィットネスビジネスではなく地域の人たちの健康維持の促進に役立つことを重視している」と話す。慈善事業にも力を入れ、年間3万ドルを寄付している。
デビットさんと厚子さんの出会いは、国道58号沿いにあるマクドナルド。結婚記念日には、それを記念して毎年マックに行き、当時食べたメニューで祝う事を30年続けているという。食べることが大好きで沖縄そばとオリオンビールが好物のデビットさんは、木灰入り本格沖縄そばを自ら手作りするほど。「退職後は、沖縄そばとオリオンビールを出す食堂をしたい」と夢を話す。
民間大使でもあるデビットさんは、「民間大使として大事なことは、沖縄と米国の良き懸け橋的存在であること」と語る。今年のウチナーンチュ大会には、家族3人が参加を予定している。(鈴木多美子通信員)