チムグクルをもう一度 与那嶺会長(ブラジル)移民の沖縄文化語る


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 【うるま】ブラジル沖縄県人会の与那嶺真次会長を講師に招いた講演会「肝心(チムグクル)がつなぐブラジルと沖縄」(JICA沖縄国際センター主催)が7日、うるま市健康福祉センターうるみんで開かれた。与那嶺会長は「2世から見たウチナー文化」と題し、県系ブラジル人社会に息づく沖縄文化について語った。

 与那嶺会長は、県系移民が創業資金や家の購入資金に頼母子(たのもし)講を活用するなど「皆で助け合い苦しみの時代を乗り越えてきた」と説明。「女性の歴史は本にもあまり書かれていないが、おばあさんが家族をまとめていた。移民社会の中でウチナーンチュの誇りを保てたのは女性の力が大きい」と指摘した。
 携帯電話やコンピューターの普及で家族の会話が減ってきていることにも触れ、「物は豊かになったが無縁の時代に向かっている。この時代にもう一度チムグクルが必要だ」と訴えた。
 講演会では、JICAのシニアボランティアとしてブラジルに派遣されたソーシャルワーカーの与古田徳造さんや、短期海外視察研修で派遣された市内の小学校教諭らも活動を報告した。

講演に聞き入る市民ら=7日、うるま市健康福祉センターうるみん
ブラジル県人会・与那嶺真次会長