第5回世界のウチナーンチュ大会開幕まで4日に迫った9日、既に来県している県系人たちは、この日開催された那覇大綱挽をはじめ、地域で催された交流会などに参加。「ウチナーンチュ」同士の絆を確認するとともに、古里の伝統行事・文化に触れ、感動を新たにしていた。
綱方の「ハーイヤ」の掛け声で動きだした大綱が、27万余の引き手の力で波のように揺れた。9日午後、那覇市の久茂地交差点で行われた那覇大綱挽。市民や観光客、外国人らに加え、今年は世界のウチナーンチュ大会のため来県した多くの県系人の姿もあった。古里の歴史と伝統ある世界最大級の大綱に「感無量」と興奮。万余の引き手と一体になって、汗だくになりながら綱を引いていた。
綱引きは、西が優勢に進んだが、東も譲らず、長丁場に。「あと2分」とアナウンスが聞こえると両陣営は最後の力を振り絞った。
規定時間の30分を終了し、引き分けに。綱引き終了と同時に拍手が湧き起こり、互いの健闘をたたえ合った。来場者は切った綱を、笑顔で持ち帰っていた。
米オハイオ州から世界のウチナーンチュ大会のため来県し、綱引きに初めて参加した秀子・モーアさん(71)=宜野湾市大山出身=と夫のマイクさん(71)、孫のカーティスさん(19)。秀子さんは「感無量。多くの外国人が意気投合していることが素晴らしい」と笑顔を見せた。初来県のカーティスさんは「汗びっしょり。疲れたけど、楽しかった」と興奮した様子だった。
ブラジル・サンパウロから参加した県系3世のウエハラ・アユミさん(17)は「ギネスブックで那覇大綱挽の存在は知っていた。いろいろな国から来た、たくさんの人と一緒に綱引きができてとても楽しかった」と満足そうに語った。