夢に挑戦 音楽の新分野開拓 仲間さん(米ボストン)


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ボストンで活躍する仲間将太さん(左)と、10代のころから仲間さんを知る高良義弘さん=14日、那覇市牧志の高良レコード店

 米国・マサチューセッツ州ボストンで「ビデオ・ゲーム・オーケストラ」を主宰する仲間将太さん(29)=那覇市出身=も、今回ウチナーンチュ大会に初めて参加している。仲間さんは、ゲーム音楽や映画音楽をアレンジし、オーケストラで演奏するというロックとオーケストラを融合した新たなジャンルを開拓。4月には2500人収容のボストン・シンフォニー・ホールでコンサートを開催し、チケット完売の満員、成功を収めた。

 今回の帰国はウチナーンチュ大会の参加だけでなく、沖縄でロックとジャズを中心にした音楽キャンプ(合宿)を開催するための下準備も兼ねている。キャンプにはアジアからも参加者を募り、仲間さんの母校、バークリー音楽大学から講師陣を招く予定。
 「自分自身、大学で音楽的な教育だけでなく、多文化の中で刺激を受け、実践する中で大きく変わった。海外で通用する若い人材を育てるには視野を広げるキャンプが必要」と説く。
 那覇市の石嶺中学校を卒業後、音楽の道を目指すことを決意。進学せずアルバイトとロック中心の生活を送っていたが、アメリカに留学したいという思いが強まり、高校卒業程度認定試験(旧大検)を受けて資格を取得。2000年に渡米し、バークリー音楽大学、ボストン音楽院の大学院を卒業した。
 10代半ばのころ、よく通っていた那覇市牧志のライブハウスを併設する楽器店・高良レコード店には、帰国のたびに立ち寄る。当時から仲間さんを知る同店の高良義弘さん(50)は「大人と対等に話す若者という印象があった。新たなジャンルを切り開き頑張っているのは頼もしい。今後に期待している」と語った。
 いずれはバークリー音楽大学の日本分校を沖縄につくりたい、という夢を持つ仲間さんの挑戦は始まったばかりだ。(知花亜美)