70歳超、アフリカで修士号 ザンビア在の高良初子さん


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ザンビアに移住し、修士号を取得した高良初子さん=15日、那覇市小禄

 70歳を過ぎて大学院で修士号を取得した県系1世の女性がいる。アフリカ南部のザンビアに移住した高良初子さん(77)=那覇市小禄出身=だ。研究テーマはザンビアの労働歌。研究生活は苦労の連続だったが「沖縄の女性であるという誇りが支えてくれた」と高良さんは語る。

 高良さんは1977年に初めてザンビアの盲学校を訪問。その後、ザンビアに移住し、教育支援活動を行ってきた。活動を通して「ザンビアで生きていくからにはこの国の伝統を知らなければならない」と考え、ザンビア大大学院に進学。アフリカ文学を専攻し、2007年修士号を取得した。
 労働歌をテーマにしたのは沖縄への思いから。「ザンビアの労働歌を収集する過程で、沖縄をよく思い出した。戦前、沖縄の人たちも労働しながらよく歌を歌った」と語る。
 ザンビアと沖縄の若者たちへは「先達に学んで、外に目を向けてほしい。自分のルーツを忘れさえしなければ、どんな場所ででも生きていける。自分に誇りを持って生きてもらいたい」と要望した。(仲宗根祐希)