【ハワイ】沖縄プラザ建設にめど 世代交代へ計画着々


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 米国ハワイ州の沖縄系住民の沖縄文化やアイデンティティーの継承が大きな転換期を迎えている。ハワイ沖縄連合会は移民2、3世の時代から4、5世への世代交代を見越し、活動の拡充・収入安定を目的に「ハワイ沖縄プラザ」の建設を目指す。このほど約6600平方メートルの土地を購入、360万ドル(約2億9千万円)の資金にめどがついた。当初完成予定の2010年からは遅れているが、計画は着実に進んでいる。

 プラザ建設計画は「いく世までぃん」プロジェクト。現在の活動拠点ハワイ沖縄センターが老朽化し、約4千万円の修繕・維持管理費が捻出できなくなったことをきっかけに持ち上がった。これまでは2、3世の寄付で賄ってきたが、4、5世の世代からの募金が困難になることを見越し、プラザを建設することで、そのテナント料で維持管理やハワイ沖縄連合会の活動費を工面するという内容だ。
 これまで沖縄へのリーダー養成研修やスタディーツアーなどの経験者が情熱を持って沖縄の文化や歴史、芸能を広める指導者になってきた。こうした活動を次世代につなげるために安定収入を得る狙いもある。
 プラザの土地はハワイ沖縄センターに隣接。周囲には大きな運動公園などがあり、環境に恵まれている。建物は2階建てと3階建ての2棟を予定し延べ床面積は計約4万フィート(約1万4千平方メートル)。288台の駐車場を完備する。テナント料で収入の安定を図る。
 土地の購入費は県や市町村、ハワイ州、連合会傘下組織、会員などから集めた。今後は数百万ドルはかかる建設資金の調達が課題だ。ハワイ沖縄連合会の玉城ジョージ土地開発部長は「次世代の県系人が活動、交流し、沖縄を学ぶ機会を支えるお金や場所が必要だ。プラザが実現すれば収入の安定だけでなく、いろんな活動の拠点として可能性が広がる」と話している。(新垣毅)