【島人の目】アップル社員


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 アップルといえば今最も注目されている企業である。先日亡くなったスティーブ・ジョブズ氏を筆頭に、スマートなデザイン、ラフな服装で、いかにもアメリカの自由でかっこいい企業というイメージが強い。

 先日、当社の新商品iphoneケースとipad2ケースを売り込みに行った。1年前まではマッキントッシュ時代からのアレルギーで、アップルは使いにくく互換性で問題があるというイメージが先行していたが、初めてiphone4を手にした半年前から大のアップルファンになった。今ではipad2も手に入れ、新しいMAC airの購入も虎視眈々(こしたんたん)と狙っている。
 シンガポールでは3社がアップルショップとしてアップル商品や関連商品販売を行っている。当然、アップルスタンダードがあるのだが社員、社風、品ぞろえにも若干の違いがあり「面白いな」と感じた。
 今、シンガポールのアップルストアの中でも1番多く店舗を展開している企業は、若い購買担当者が出てきた。今風なTシャツにジーンズ、対応も必要なこと以外は一切口にせず、社交辞令的なあいさつもなかった。話も頭の回転が速いのかマッハの早口で、聞き取りに苦労するほど。アップル社員が全てそうであるとは思わないが、やはり企業文化的なものがあるのだろうなと新鮮に映った。
 自分らしく生きる、自然に振る舞うということは素晴らしいと思う。ただ企業として、社会人として、そのように振る舞うには、やはりそれなりの努力をして周りに認められなければならない。企業文化をシンガポールでも実現しているアップルという企業の勢いや強さというものを感じる出来事であった。
 当社の新商品の印象は良かったらしく、あとはパッケージの提案をお願いされた。ただ、iphone4も発売されて間もないのにiphone4Sが販売されiphone4用商品の取り扱いは止めているとのこと。せっかく商品を努力して作っても商品寿命が短ければ在庫リスクは膨らむ。短期決戦である。
(遠山光一郎 シンガポール在住、会社経営)