【中国】投資家ら関心示す 上海で沖縄PRイベント


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 「沖縄国際航空物流ハブ事業2周年周知イベントin上海」が17日から20日まで、上海で行われ、県をはじめ、県内企業代表ら約100人が参加。沖縄投資セミナーや企業誘致セミナー、沖縄観光、物産フェアなどさまざまな催しを展開した。

中国側からは不動産会社や投資家、金融関係者ら多数が参加し、沖縄への業務展開に関心を示していた。
 17日の沖縄投資セミナーが開かれた場所は、中国人富裕層が多く住む、上海古北地区にある上海西郊公萬ホテル。セミナーでは、県側から沖縄観光の概況やIT津梁パーク、特別自由貿易地域、西原マリンタウンの説明が行われた。不動産物件に関しては、沖縄不動産パートナーズの照屋健吉事務局長が、土地物件、外人住宅、ゴルフ用地、ホテルなどの投資物件を紹介した。
 照屋事務局長は「沖縄は中国で言う、桃源郷のような所。中国からこんなにも近い所に、リゾートがあることを分かっていただき、都会で疲れた心と体を休めるため、ぜひ沖縄に来ていただきたい」と述べた。
 今回参加した中国人投資家のほとんどが、日本に何度か足を運んだことがあり流ちょうな日本語を話す投資家も多かった。投資家の間からは、沖縄の立地条件の良さ、自然環境の素晴らしさを指摘する声が上がり「観光地としては興味深いし、大変いい所だと思う」などの感想があった。一方、沖縄の不動産投資に対する税金の問題や滞在する際のビザの問題についても言及があった。
 18日は上海の金融街にある上海世界金融センターで企業誘致セミナーが開かれた。経済ジャーナリストの基調講演をはじめ、中国貨物事業者、ANA担当者、沖縄県企画部交通政策課担当者らによるパネルディスカッションも行われた。
 基調講演の中で経済ジャーナリストの財部誠一氏は「現在沖縄県が行っている航空物流ハブ事業は、中国を含めた新興アジア諸国の新しい貿易の形を形成するもの。そのため、沖縄だけではなく、東日本大震災直後の日本にとっては、非常に大きな意味がある」と、今後のアジアの新興諸国との貿易の在り方、また、それに付随する現地の管理方法、会社の運営方法などを指摘した。その上で、一昔前の先進諸国との貿易のやり方ではなく、新興諸国に対する、リアリティーある新しい貿易の形をつくり出していかなければならないと提言した。
 続くパネルディスカッションでは、今後の事業として、空路の拡大や在庫管理の問題、海路と空路の連携の重要性などの課題が挙げられた。全日本空輸常務取締役執行役員貨物本部長の殿元清司氏は「今後は成田空港の貨物便を1日2便に増便し、その他海外路線も増やし、物流量を増やす予定だ」と述べた。沖縄県企画部交通政策課課長の下地明和氏は「県としては那覇港と那覇空港の拡大と連携を考え、さらにANAと連携して、シンガポールやインドネシアなど、空路拡大を図っていきたい」と今後の展開を述べた。
(小谷良太通信員)

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沖縄物流ハブ事業の今後について語った企業誘致セミナーのパネリスト=18日、中国上海世界金融センター