【島人の目】メリークリスマス


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 今年もまた、南国のシンガポール、東南アジア主要都市どこでも、クリスマスソングが流れ始め、すてきなクリスマスデコレーションで町中、クリスマス一色である。年々、時がたつのが本当に早いなと感じながら、もう常夏のクリスマスに何の違和感も持たなくなった自分に戸惑いも若干あるが、今年も再び、本紙面で皆さんとクリスマスを祝えることに感謝したい。

 アジア諸国は、リーマンショック後、再び成長し始めたのもつかの間、ヨーロッパ不安で足元が再び揺らぎ始め、来年の経済不安が増大している。また例年通り、タイや多くのアジアの国で洪水被害に遭い自然災害が相次いでいる。明るいニュースは民主化とアメリカとの関係改善が見えるミャンマーに少し希望の光が見え始めたことだろうか。
 激動の厳しい時代であるが、クリスマスの時期だけは、世界中の老若男女が素直に幸せを感じ、楽しめる本当にいい日である思う。
 ただ、毎年、クリスマスのような幸せな時こそ、アジアやアフリカの途上国などでは貧しさや、いろいろな理由でクリスマスを祝えない、もしくはクリスマスのことさえ知らない人々がいることを理解して、私たちは本当に幸せであると感謝の気持ちを持つことは、とても大切なことだと思う。この現実をどこか頭の片隅に置いて、今年も、また家族や皆さんと共にクリスマスを祝いたい。アジアからメリークリスマス。
(遠山光一郎、シンガポール在住、会社経営)