【ハワイ】州裁判官に県系3世 仲宗根さん難関を突破 「両親から価値観継承」


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ハワイ州巡回裁判所判事に就任した仲宗根カレン瞳子氏(中央)

 ハワイ州巡回裁判所判事に、このほど沖縄県系3世の仲宗根カレン瞳子(とうこ)氏(41)が就任した。同裁判所の面接で人格、決断力、高潔さといったあらゆる面をテストされ、何段階もある難関を突破した。

 仲宗根氏は、父親のハジメさんと千枝子さんの長女としてホノルルで生まれた。ボストン法科大学を卒業後、1996年から公選弁護人(日本の国選弁護人にあたる)を務めると同時に、ボランティアで地域社会へ多大な貢献をしてきた。
 夫のローマン・アマグインさんに支えられ、2児の母でもある。今年の夏、裁判官就任への面接をというハワイ州上院からの推薦を受けた。多忙な中、本業を休む事なく、面接への準備を進め、持ち前の勤勉さと情熱で、幾度となくふるいにかけられながらも、前進した。
 11月に行われた就任宣誓式でのあいさつでは、両親、妹夫婦、夫や子ども、友人、仕事関係者の支援に、深い感謝の言葉を述べた。特に、高額の教育費を工面するため花屋を経営し、支援を受けた両親からは「素晴らしい価値観を受け継いだ」と話した。母千枝子さんは「判事就任への過程がこんなにも厳しいものだとは、夢にも思いませんでした。親としても緊張の連続でした」と振り返っていた。
 女性弁護士の強いイメージとは裏腹に、誰に対しても思いやりがあり、前向きな性格で、両親の意見にも耳を傾けるという仲宗根氏。空手や剣道にもいそしみ、日々心身を鍛えている。今後、判事としての活躍が大きく期待される。
(名護千賀子通信員)