【キラリ大地で】ワシントンDC 沖縄会の催しに尽力 ラッセル一家


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仲むつまじいラッセル一家

 ワシントンDC沖縄会に家族で出席し、それぞれが会のために一役も二役も買っているのがラッセル一家。あるじのチーさんはサイゴン生まれのベトナム系アメリカ人。4歳の時、母親の再婚でアメリカへ渡った。妻は浦添市出身の厚子さん(旧姓平良)。そして大学生の長男ジョナサン・圭さんと高校生の次男ジャスティン・拓(ひろし)君の4人家族だ。

 二人は、コロラド州で知り合った。当時チーさんは空軍士官大学で科学を専攻していた大学生。厚子さんはデンバーの大学に留学中だった。「夫はクリスチャンで彼の優しさと誠実さに引かれた」と厚子さんは当時を振り返る。
 結婚後の最初の赴任先はテキサス州。その後、嘉手納空軍基地での任務となり沖縄に6年間滞在した。チーさんは職務に就きながら大学院で教育の修士号を取得した。
 その後、ハワイ、ワシントンDCに転勤となり、チーさんは再度大学院に通い、国家安全保障について研究し、二つ目の修士号を取った。そしてオクラホマ州へ異動となり2003年にはワシントンDCの国防総省へと転勤となった。08年に空軍を退役したチーさんは現在、防衛局に勤めている。
 沖縄会の各イベントでは、司会を担当。機転の利いたユーモラスなチーさんの司会ぶりは好評だ。
 「自分にとって沖縄は『家族』と『親切』の二つの言葉で表現できる。妻の故郷である沖縄の家族は自分の家族でもある。皆自分たちを大きな愛で包んでくれている。そして沖縄の人たちは親切で行くたびに歓迎してくれ楽しい時間が持てる」とチーさん。
 夫を陰で支え子どもたちの良き母親である厚子さんは、沖縄会では会計を務め各イベントでは受け付けなどを担当し会のために尽くしている。「沖縄会に携わっていると故郷とつながっている気持ちになる。ボランティアをしていて多くの人と懇意になれてうれしい」と話す。
 息子2人は新春会の舞台で「童神」をトロンボーンで合奏したり、長男のジョナサンさんは、震災のあった昨年の新春会では「上を向いて歩こう」を東北の人たちへの応援歌としてギターを弾いて歌った。大学でビジネスを専攻するジョナサンさんは、沖縄について「僕にとって沖縄は故郷。沖縄の家族のことをよく思い出している」と流ちょうな日本語で話した。
 ラッセル一家は、休日は皆でボウリングやテニスで汗を流し、プロフットボールに歓声を上げるなど、仲睦まじく健康的に過ごしている。
 厚子さんは、「チーさんが良き父親としてリードを取り家族だんらんがあり皆居心地がいい。良き夫に恵まれて幸せいっぱい」と最後に笑顔で話した。(鈴木多美子通信員)