【フランス】石垣焼を仏で出展 石垣市在住の金子さん、2年連続


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インテリア国際見本市「メゾン・エ・オブジェ」に2年連続の出展を果たした金子晴彦さん=パリ市内

 石垣市在住の金子晴彦さん(50)は、日光東照宮(世界遺産)での展示や、フランス・トゥールのギャラリー「エスパイスプセ」の日本現代作家展やスイス・バーゼルのアート展にも参加している新鋭の作家。その金子さんが1月20日から24日、パリで開催された世界一難関のインテリア国際見本市「メゾン・エ・オブジェ」に2年連続の出展を果たした。初出展には厳しいといわれるこの見本市の現場で、昨年は初出展にもかかわらず、ヨーロッパや中東から多くの買い付け注文を受けた石垣焼。今年もさらなる関心が寄せられそうだ。

 沖縄からの出展は今回石垣焼窯元のみ。世界の一流となるための登竜門といわれるこの見本市で、金子さんが創り上げた石垣焼は世界で認められた陶器の仲間入りを果たした。
 透明のガラスに、石垣島で採れる鉱石から発色した美しい海の色と、油滴天目を融合した器。中央に輝く美しい海色の青は、沖縄の美しいイノー(礁池(しょうち))をほうふつとさせ、その周りを取り囲む艶のある油滴天目の黒は南国沖縄の明るい日差しに相応した闇深い陰のようにも見える。
 「与論焼」を生み出した父を持つ金子さん。その技を引き継ぐため陶芸の道に進んだ。土や鉱石が豊富な石垣島に工房を開き、さらに島に存在する鉱石の研究を重ね現在の世界ランクの焼き物を生み出した。
 「石垣島は特に川平湾がミシュランガイドで三つ星になっているが、ヨーロッパの観光客は依然少ない。石垣焼を知ってもらうことで多くの観光客を呼べるよう努力していきたい」と笑顔で語った。(大城洋子通信員)