【アメリカ】県人会史編集が本格始動 北米


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編集会議で討議する歴史部員ら=北米沖縄県人会館会議室

 1981年に発行された「北米沖縄人史」の続編「北米沖縄県人会史1980~2010年」をつくるため、県人会の歴史部では97年ごろから資料や記事を集めて準備してきたが、昨年3月から、羅府新報元編集長の長島幸和さんを迎え、他の新メンバーも加えて、出版に向けて本格的に動き始めた。前編「北米沖縄人史」は、南カリフォルニアを中心にウチナーンチュ全般を対象として書かれたが、今回は1980年以降の「県人会の歩み」の記録が中心。県人会のイベントや会員の紹介に重点が置かれる。

 当銘貞夫(歴史部長)、呉屋君子(県人会長)、比嘉朝儀(前会長)、へリーン島根(元副会長)、山城高子(元会長夫人)、ジョー山川(2世長老)、山内繁子(元会員部長)、下地のり子クワロン(文化部長)、国吉信義(元会長)、山内優子(事務局長)らが毎月編集会議を開いて、編集作業がここに来て急ピッチで進んでいる。特に新メンバーとして編集作業に加わった国吉さんと下地さんは、意欲的に取り組んでおり、作業の進展に弾みがつくものと期待されている。
 歴史書作成は難しく、地味な仕事で、予算も限られており、ボランティアが主なので出版予定の変更を余儀なくされている。出版予定が明確化された段階で、ファンドレイジング(基金募集)活動も必要になるとみられる。メンバーからは、会員以外で「歴史書」に自身の経歴の掲載を希望する人に対し、寄付をお願いしたいとの意見も出された。
 今年上旬に日本語セクションを上梓(じょうし)し、それを英訳して一冊の「北米沖縄県人会史」として2014年までに完成を目指す。
 作家の大城立裕氏は「いったん仕上げたら修正が利かない。拙速を絶対に慎むこと」と歴史書作成に対しアドバイスを寄せた。
(当銘貞夫通信員)