【島人の目】アメリカ東部への短い旅


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 娘夫婦に女の子が生まれた。待ちに待った私たち夫婦の初孫である。生後5日目での対面、赤ちゃんと娘の産後もすこぶる元気で安心した。娘夫婦はメリーランド州のボルティモア郊外の閑静なコロンビアに住んでいる。そこからワシントンDCまで車で20分、桜で有名なポトマック河畔まで30分と便利なところである。

娘(33)は南カリフォルニア生まれ、UCLA卒後USC(南カリフォルニア大学)で修士課程を終え、障がい児教育に従事、現在はメリーランドで同じ仕事を続けている。娘の夫(31)はコロンビア大学で修士、USCで博士号をとった。カリフォルニアはメリーランドより時給に換算してかなり高く、気候的にも南カリフォルニアは温暖で就職はここでしたかったのだが、二つ課題があった。USCの博士課程で彼はフルの奨学金が支給された。その時博士課程は規定期間内で修了すること、将来大学教授を目指すならカリフォルニア以外の他州で5年以上教職に従事しなければならない、との条件であった。その結果選んだのがメリーランド州立大学である。
 アメリカ大陸は東部、中央部、西部の時間帯があり、カリフォルニアから東部は3時間、中央部とは2時間の時差である。ロサンゼルス―ワシントンDC間はジェット旅客機ノンストップで6時間。LA空港を飛び立った飛行機はグランドキャニオン、ロッキー山脈、ソルトレイク・シティーからテネシーワルツで有名なテネシー州上空とアメリカ大陸を東西に横断、飛行機は海の上を飛ぶことは一度もない。
 1月下旬のワシントン郊外はすっかり落葉樹が裸木となって林立していた。今年はポトマック河畔に日本から桜の木3千本が寄贈・植樹されてから100周年を迎え、記念祭として多くのイベントが春に予定されている。残念ながら今回そこまで足を運ぶことはできなかったが、娘夫婦の住まいの近所に小さな湖があり、岸辺の公園の桜木10本ほどが多くのつぼみを持ち間もなく開花するような風情であった。おそらくポトマック河畔の桜も同じであろう。来年は河畔を訪れ、日米友好親善の歴史の一端に触れたい。
(米国ロサンゼルス通信員)